当院の再生医療外来では自家幹細胞培養治療を取り入れた再生医療を行っています。
患者さま自身の血液を用いた幹細胞による再生医療は、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会でその治療の妥当性・安全性・医師体制・細胞加工管理体制が厳しく審査され、再生医療の計画内容が委員会で認められ(計画番号の取得が必要)なければ実施できない治療です。
 当院では「整形外科(関節まわり)の疾患に対する組織の修復治療」として計画番号を取得し、多くの膝を中心とした関節疾患をお持ちの患者さまの治療に取り組んで参りまりました。現在は点滴による自家幹細胞培養治療の治療計画を申請中で、計画番号が取得でき次第、順次治療を開始する予定です。
 また幹細胞の培養上清液を使用した治療も行っております。お気軽にご予約の上、ご来院ご相談ください。

再生医療等提供計画(第二種)
自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた整形外科疾患に対する組織修復
計画番号 PB3180014 

自家幹細胞培養細胞治療を用いた変形性ヒザ関節症の治療について


人体は個人差がありますが、ある年齢から例外なく継時的に変性・変形を伴った劣化が進行します。こと関節においては、変形性関節症という病態となり、多くは関節炎を起こし痛みを伴った状態となります。これに対する治療は、まず保存療法から始められ、症状が改善しない時には手術療法が検討されます。特に変形性膝関節症の場合、薬物療法・ヒアルロン酸などの関節内注射・運動療法という保存療法を行い、症状が改善しない場合は人工関節置換術などの手術療法が行われます。
人工関節置換術は、高度な変形を伴った変形性膝関節症などに対しては、非常に優れた治療法です。しかし、保存療法とのギャップが大きく、どうしても手術したくない患者様には、これまでなかなか他に満足できる選択肢がありませんでした。

この状況に対し、近年の再生医療の進歩でPRP療法や、幹細胞治療などが新たな選択肢として提供できるようになりました。

幹細胞(MSC)は損傷や劣化した関節組織と機能を修復・再生させます。

ヒト体性幹細胞(MSC)」は全ての物に分化する万能細胞ではありませんが、脂肪・骨・軟骨・筋肉・肝臓など 限られた細胞に分化することが出来きますが、分化する能力だけでは無くて、損傷した組織を修復したり保護する能力をも持ち合わせ、最終的には組織としての機能までも回復させる事が解かりました。 つまりMSCの主な役目は、病気やケガで失われた細胞を新しく補充して組織機能を回復させる事です。
幹細胞には傷ついた部分に集まろうとする仕組みがあり、このことをホーミング効果といいます。幹細胞はホーミングすると、3ヶ月くらいで目的の細胞に変わり、傷んだ部位を修復します。これはSDF-1/CXCR4というシステムによるものだと考えられています。

自家幹細胞培養治療について


骨髄由来などのヒト体性幹細胞(MSC)は既に治療への利用が進められており、足の血管の再生、肝臓・心臓の機能回復の臨床研究が行われています。2001年には人体の脂肪組織にも同じような幹細胞がある事が発見され、「ASC(Adipose-derived Stem Cell)/脂肪由来体性幹細胞」と呼ばれています。ASCは、美容手術など手軽に行われている脂肪吸引の技術が応用できる為簡単に採取出来る上に、同じ量から骨髄のおよそ1000倍の量の幹細胞が採取できると言うメリットが在る事や、炎症を抑えるサイトカインを大量に放出している事がわかっています。 当院における再生医療は、このASCを用いての治療です。

自家幹細胞治培養治療後の運動療法について
組織修復に際して、適切な物理的刺激はその効果を上げる作用があり、治療を行う上で必要不可欠なものです。幹細胞治療施行直後から関節に適度な圧力と摩擦を加えることでコンディションをさらに改善することが可能です。
当院では、当院オリジナルの運動療法のプログラムを提供しており、これを併用することでさらなる治療効果が期待できるものと考えます。

自家幹細胞培養治療の流れ

(1)カウンセリング・診察
感染症系血液検査・画像検査(MRI等)
脂肪採取日時決定

(2)脂肪採取および培養用の採血
臍のすぐ脇に約5mm皮膚を切開し、耳かき一杯ほどの脂肪を採取します。術後、この傷はほとんど目立たず、痛みもほぼありません。採取自体は5分もかからず終了し、抜糸の必要はありません。また、同日に培養の行程に必要な血液を採取します。

(3)培養
組織採取後すぐに、契約施設に輸送し、同内の細胞培養センター(CPC:Cell Processing Center)にて細胞培養を開始します。全行程はCPC内にて行われ約4-5週間の期間を要します。
*患者様によって若干前後しますのでこの時点では投与日は確定できません。*培養過程で異常が認められた場合は培養を中止することがあります。

(4)ご連絡
細胞培養開始約2週間後のある段階で残りの培養に必要な期間が確定します。ここで投与日(治療日)をご相談の上、確定させて頂きます。細胞投与を最適な条件で行うために、一度確定された投与日(治療日)は原則として途中変更できません。

(5)投与日
確定させて頂いた日時に治療を行います。細胞注入後、細胞を定着させるために10分程度安静にして頂きます。術後まれに腫れることがありますが、ほとんどの場合問題ありません。

当院の再生医療は原則として予約制です。あらかじめ必ずお電話でご予約の上、ご来院ください。